「オフィスビル空室率」、2月は小幅改善(日本)

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「オフィスビル空室率」は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。空室率のほか、オフィスビルの平均賃料や棟数なども公表されており、オフィスビル市場を見る上で有益です。札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の7つのビジネス地区について、新築、既存ビルに分けられたデータとなっています。

【ポイント1】2月の都心5区の空室率は3.70%

竣工1年未満のビルの大型空室が減少

■3月9日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2月の「オフィスビル空室率」は、前月比▲0.04ポイントの3.70%となりました。空室率は、2016年9月以降、3.6~3.7%台で足踏みが続いています。

■2月は、既存ビルでは大型解約の影響などにより空室率が小幅に上昇しましたが、新築ビルでは1棟が満室で竣工したことや竣工1年未満のビルの大型空室が減少したことから空室率が低下し、全体の空室率を押し下げました。

【ポイント2】平均賃料は38カ月連続の上昇

全ての地区で平均賃料が上昇

■また、2 月の都心5 区の平均賃料は、坪当たり18,655円でした。前年同月比+4.19%、前月比+0.39%と、小幅ながら38カ月連続の上昇となりました。

■2月は既存ビルが前月比+0.46%、新築ビルが同+1.37%と、既存ビル、新築ビルともに平均賃料が上昇しました。都心5区を地域別に見ると、それぞれが同+0.01~0.48%と小幅ながら全地区で平均賃料が上昇しました。

 

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【今後の展開】年内の大型ビル供給は限定的、空室率は低水準が続く見込み

■「オフィスビル空室率」はすでに低く良好な水準にあり、昨夏来、足踏み状態となっています。また2017年内は、供給される大型ビルの数が限定的と見られていることから、空室率は当面現在の低水準で推移すると見込まれます。

■こうした空室率の低下や賃料の上昇は、オフィスビルに特化したものが多い日本のリート市場には追い風です。また日本では当面金融緩和が続き、長期金利が低水準で推移すると見られ、日本のリート市場にはプラスと考えられます。

 

 

(2017年 3月 14日)

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