最近の指標から見る日本経済(2017年3月)今後も緩やかな景気拡大が見込まれる

最近の指標から見る日本経済(2017年3月)今後も緩やかな景気拡大が見込まれる

【ポイント1】生産は6カ月ぶりに減速

海外需要は堅調で、減速は一時的

■1月の鉱工業生産指数は前月比▲0.8%と市場予想(同+0.4%、ブルームバーグ集計)を下回り、6カ月ぶりに減速しました。電子部品・デバイス工業など一部を除き、幅広く減速しましたが、中国経済の安定などを背景とした海外景気の拡大継続から輸出は増加基調にあると考えられます。このため、1月の減産は一時的な動きと見られます。

■製造工業生産予測調査によると、2月は同+3.5%、3月は同▲5.0%と見込まれています。これに基づくと、2017年1-3月期は前期比+0.8%と、増勢を維持すると見込まれます。

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 【ポイント2】消費者物価は上昇に転じる

エネルギー価格上昇が主因

■1月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.1%と、13カ月ぶりに上昇に転じました。ガソリン価格の上昇や被服及び履物の価格上昇が主因となりました。

■1月の実質消費支出(二人以上の世帯)は前年同月比▲1.2%と、依然消費は弱い動きとなっており、物価の上昇にはつながりにくいと考えられます。

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【今後の展開】海外景気の回復により、日本経済は緩やかな景気回復が続く見込み

■国内消費は力強さを欠く一方、中国景気の安定や米国景気の堅調さを背景とした海外景気の拡大継続から、日本経済は緩やかな景気回復が続くと考えられます。物価は1月に上昇に転じたものの、今後の物価上昇ペースは緩やかなものにとどまると見られることから、今後も日銀の金融緩和の継続が見込まれます。利上げが見込まれる米国との内外金利差の拡大は、円安・米ドル高要因となりそうです。

 

(2017年 3月 3日)

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