市場予想を上回ったインドのGDP成長率(2016年10-12月期)高額紙幣廃止の混乱を乗り切り高成長を達成

市場予想を上回ったインドのGDP成長率(2016年10-12月期)

【ポイント1】市場予想を上回る成長を達成

前期の成長率からは小幅に鈍化

■インドの2016年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.0%となりました。前期の同+7.4%からは鈍化しましたが、市場予想の同+6.1%は上回りました。

■インドでよく用いられるGVA成長率も同+6.6%となり、前期の同+6.7%からは減速したものの、市場予想の同+6.0%を上回りました(GVA成長率は生産面からみた成長率)。

 

20170302as1

 

 【ポイント2】個人消費の増勢が加速

ただし、過大評価の公算も

■需要項目別に見ると、高額紙幣の廃止と新札への交換に伴う混乱があったにもかかわらず、民間消費が前期の前年同期比+5.1%から同+10.1%へと急加速したのが目立ちました。

■ただし、インドでは基礎統計が十分に整備されていません。特に統計による把握が難しい中小・零細企業を中心に、高額紙幣廃止・交換の影響が過小評価(GDP統計は過大評価)されている可能性がある点には注意が必要です。

20170302as2

【今後の展開】高成長維持の見込み

■高額紙幣廃止・交換に伴う混乱は、17年1-3月期で終息する見込みです。実際、新紙幣の供給は順調に推移しているといわれるほか、乗用車や二輪車の販売も底入れしたもようです。混乱の終息とともにインドの景気は再加速し、2018年3月に終わる2017/18年度の経済成長率は+8%台に到達する可能性もあると考えられます。

 

(2017年 3月 2日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 市場予想を上回ったインドのGDP成長率(2016年10-12月期)高額紙幣廃止の混乱を乗り切り高成長を達成

関連マーケットレポート

2017年 2月16日 最近の指標から見るインド経済(2017年2月)

2017年 2月 9日 インドの金融政策(2017年2月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会