米国のGDP成長率(2016年10-12月期速報値) 国内需要が順調に拡大

米国のGDP成長率(2016年10-12月期速報値) 国内需要が順調に拡大

【ポイント1】成長率は前期から鈍化

純輸出の減少が主因、内需は堅調

■米商務省が2017年1月27日に公表した2016年10-12月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率+1.9%となり、市場予想の同+2.2%、前期の同+3.5%を下回りました。輸出の減少によるところが大きく、国内需要の伸び率は前期の同+2.6%から同+3.5%に加速しました。

 

 【ポイント2】個人消費は底堅く推移

設備投資も緩やかに拡大

■需要項目別に見ると、個人消費は前期比年率+2.5%となり、前期の同+3.0%から鈍化しました。季節外れの暖かさに見舞われた影響で、暖房支出が減少したためです。自動車や家具・家電といった耐久財支出が順調に伸びていることを踏まえると、個人消費の基調そのものに変化はないと考えられます。

■設備投資は同+2.4%となり、緩やかながらも増勢を維持しました。産業機械や輸送機械が持ち直してきたためです。

■在庫投資、純輸出の実質成長率に対する寄与度は、各々+1.0%、▲1.7%でした。在庫投資の増加は、在庫調整の一巡を示唆するものです。他方、純輸出の減少は、前期に天候不順が続いた南米向け農産物輸出が急増した反動によると見られます。

 

20170130us

 

【今後の展開】株価は、景気・企業収益の拡大を織り込む展開へ

■GDP統計の内容は、米国経済の順調な拡大を示唆するものでした。今後トランプ政権による公共投資の増額等から、成長率の加速が予想されます。利上げは継続される見通しですが、物価が低い水準で落ち着いているため、そのペースは緩慢と考えられます。

■GDP統計が公表された週末27日のニューヨーク市場の株価は、小幅な下落となりました。トランプ政権発足後に短期間で急騰した反動と見られます。今後は景気・企業収益の拡大を織り込む展開となる見通しです。

 

(2017年 1月30日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 米国のGDP成長率(2016年10-12月期速報値) 国内需要が順調に拡大

関連マーケットレポート

2017年1月26日 米国の株式市場 NYダウ初の2万ドル台乗せ

2017年1月18日 最近の指標から見る米国経済(2017年1月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会