「さくらレポート」は3地域で判断引き上げ(日本)

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「さくらレポート」は、日銀が3カ月に1度発表する地域ごとの景気情勢をまとめた「地域経済報告」のことです。「さくら」は、報告書の表紙が薄いピンクであることにちなんでいます。全国9地域ごとの総合的な景気判断に加え、設備投資や生産、消費、雇用・所得等の概況が報告されます。なお、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がまとめる地区連銀報告は表紙がベージュ色のため「ベージュブック」と呼ばれています。

【ポイント1】地域経済は引き続き総じて底堅い推移

東北、関東甲信越、東海の3地域で判断引き上げ

■1月16日、日銀は最新の「さくらレポート」を発表し、東北、関東甲信越、東海の3地域において前回(10月)から景気判断が引き上げられました。3地域とも、個人消費の判断を引き上げたほか、東北と関東甲信越では、新興国経済の減速の影響が和らいでいること等から、生産についても判断を引き上げました。

■ 全体としては、東海が「緩やかに拡大している」とし、残りの8地域では「緩やかな回復基調を続けている」等と判断されました。地域経済は引き続き総じて底堅く推移していると見られます。

【ポイント2】個人消費は多くの地域で改善

株価下落や夏場の天候不順の影響が薄れた

■需要項目別に見ると、個人消費では、近畿で、「一部に弱めの動きもみられる」としながらも、全体では2地域が「回復」、3地域が「持ち直し」、4地域が「底堅く推移している」とされました。

■なかでも、百貨店販売額は、高額品販売や衣料品を中心にやや弱い動きとの指摘が引き続きみられたものの、昨年初以降の株価下落や夏場の天候不順の影響が薄れたこと等から、「持ち直している」、「底堅く推移している」等の報告がありました。また、乗用車販売において、新型車投入の効果などから、多くの地域で「持ち直している」と報告されています。

 

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【今後の展開】日本経済は今後も雇用・所得環境の改善により底堅い見込み

■こうした個人消費の改善には、北海道や北陸、近畿で「雇用・所得環境の改善」が背景にあると表現されているほか、雇用・所得の項目では、労働需給の引き締まりなどを背景として、前回に引き続き全ての地域で「改善している」等と報告されています。また、2015年7月以降指摘されてきた新興国経済の減速の影響が和らいできたことからも、生産の項目において、北陸や近畿など4地域で「増加」、東北では「持ち直し」と表現されています。今後は、今月20日に正式に米国大統領に就任するトランプ政権の動向が注目されるところですが、日本経済は引き続き雇用・所得環境の改善などを背景に底堅く推移すると見込まれます。

(2017年 1月 18日)

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