インドの2016年度GDP見通し 新紙幣不足解消により消費は回復へ、景気拡大の流れは不変

インドの2016年度GDP見通し 新紙幣不足解消により消費は回復へ、景気拡大の流れは不変

【ポイント1】7%程度の成長となろう

■6日に政府が発表した、2017年3月期のGDP成長率見通し(速報値)は7.1%と、2016年3月期の7.6%から減速する見通しですが、市場予想(ブルームバーグ予想)の6.8%は上回りました。

■インドでは昨年11月の高額紙幣廃止・新紙幣交換による新紙幣不足の影響により、消費が弱含んでおり、そのために年間成長率が減速する見込みです。

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【ポイント2】二輪車販売台数は下振れ

■昨年12月の二輪車販売台数は、前年同月比▲22.0%と大幅に下振れました。また、乗用車販売台数も同▲1.4%と低迷しました。高額紙幣廃止・新紙幣交換による消費の下振れが耐久消費財消費に現れたものと考えられます。

■ただし、RBI(インド中央銀行)によると新紙幣の供給ペースは加速しており、遅くとも2017年1~3月中に市中に行きわたると見られます。

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【今後の展開】新紙幣不足解消により消費は回復へ、景気拡大基調は不変

■このように足元、新紙幣の供給不足により消費が低迷していますが、新紙幣不足は解消に向かい、混乱は年度内に終息すると思われます。2017年4月の新年度以降は堅調な消費とインフレ低下基調に変化がない中、企業の投資回復などで8%の実質GDP成長率を見込みます。

■旧紙幣の預金急増により、一時的に6.2%まで低下したインド10年国債利回りは、6.4%前後で安定しています。今後は徐々に経済活動が活発化すると見られますが、インフレが落ち着いていることから低金利が続くと予想されます。引き続き、インド株式と債券の魅力は続きそうです。

 

(2017年 1月13日)

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