豪ドルの足元の状況と今後の見通し 資源価格の上昇などから豪ドルは底堅い推移へ
豪ドルの足元の状況と今後の見通し 資源価格の上昇などから豪ドルは底堅い推移へ
【ポイント1】豪ドルの対円相場は上昇基調
資源価格の値上がりを反映
■豪ドルの対円相場は、昨年半ばを底に上昇基調を辿っています。英国による欧州連合(EU)離脱選択などの影響が一巡したことでリスク回避の動きが後退し、原油や鉄鉱石をはじめとする資源価格の上昇が素直に豪ドル相場に反映されてきたと考えられます。
【ポイント2】政策金利は当面据え置き
景気は緩やかな拡大の見通し
■2016年7~9月期にマイナス成長に陥った豪州経済は、これまでの利下げの効果や労働市場の堅調持続等による家計消費、住宅投資の拡大を軸に、今後緩やかに持ち直す見通しです。特に、17年後半には資源セクターによる設備投資の調整一巡も見込まれ、景気拡大のペースが速まると考えられます。
■賃金の底入れや原油価格の堅調さ等により、消費者物価の上昇率は、緩やかに高まる見通しです。17年後半には、消費者物価上昇率が豪州準備銀行(RBA)の目標である+2%~+3%のレンジの下限に到達する見込みです。RBAは、少なくとも17年いっぱい政策金利を現行の1.50%で据え置くと予想されます。
【今後の展開】資源価格の上昇などから、豪ドルの対円相場は底堅い推移へ
■鉄鉱石や非鉄金属の価格は昨年後半の上昇ピッチが速かっただけに、目先的には調整局面入りの可能性もあります。しかし、資源の一大消費国である中国経済が、公共投資の拡大に加え、民間投資の立ち直りにより、安定しつつあります。資源価格は徐々に持ち直すと予想されます。
■一方、豪日の金利差に目を転じると、政策金利据え置き見通しのRBAに対し、日銀は緩和スタンスを維持する方針です。ここから豪日の金利差が一段と縮小する公算は小さいと考えられます。資源価格、中国経済、日豪金利差等から判断すると、豪ドルは底堅く推移する見込みです。
(2017年 1月 6日)
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