今年を振り返るキーワード② 「米大統領選挙」(米国)

<今日のキーワード>今年を振り返るキーワード② 「米大統領選挙」(米国)

今年11月8日、米国で大統領選挙が実施されました。7月までの各党予備選を経て、民主党はヒラリー・クリントン氏、共和党はドナルド・トランプ氏が党代表候補者となりました。直接対決では、クリントン氏は私的メール問題、トランプ氏は人種差別や女性蔑視問題を抱え、非難の応酬となりました。選挙当日までクリントン氏が優位と見られていましたが、結果はトランプ氏が勝利し、来年1月第45代米国大統領に就任します。

【ポイント1】民主党・クリントン氏と共和党・トランプ氏による対決

トランプ氏は候補者乱立の予備選で既存政治への反感を上手く取り込んだ

■今年7月、それまでの各党予備選を経て、民主党はヒラリー・クリントン氏が、共和党はドナルド・トランプ氏が党代表候補者に指名されました。クリントン氏は出馬表明以降、優位と見られてきましたが、予備選では若年層の圧倒的な支持を獲得するサンダース氏に苦戦しました。一方、候補者が乱立した共和党では、トランプ氏が偉大な米国の復活を掲げるなど既存政治への反感をうまく取り込み、当初の予想に反して支持者を拡大していきました。

■9月、10月には大統領候補者討論会でクリントン氏とトランプ氏が直接対決しました。クリントン氏の私的メール問題と、トランプ氏の人種差別・女性蔑視発言を互いに非難し合う姿が目立ちました。討論会での冷静な対応からクリントン氏を優位と見る向きが多く、世論調査でもクリントン氏が概ね優勢を保ちました。

 

【ポイント2】激戦を制してトランプ氏が勝利

上下院ともに共和党が過半数

■11月8日の選挙結果は複雑なものとなりました。米国全体での得票数では、クリントン氏がトランプ氏を上回りましたが、いわゆるスイングステートと言われる重要な州を制したトランプ氏が選挙人の過半数を獲得し、勝利しました。

■大統領選と同時に行われた上下院選挙では、上院・下院共に共和党が勝利し、6年振りに政権と議会のねじれ解消となりました。これにより市場はトランプ氏の財政政策が実行される可能性が高いと判断し米ドル高となり、先進国では金利上昇、株高となりました。

 

20161227mk


【今後の展開】政治・軍経験のないトランプ次期大統領の手腕に注目

■トランプ氏は来年1月20日の就任式で第45代米国大統領に就任します。すでに、主要な人事が発表され、トランプ氏の側近は経営者や軍出身者で概ね固められました。大統領選挙以降、トランプ氏の政策への期待から株高、ドル高が進行していますが期待先行と見られ、来年の大統領就任以降、これまで政治家・軍人としての経験のないトランプ氏の議会との折衝や政策遂行力などが注目されます。

(2016年12月27日)

印刷用PDFはこちら

今日のキーワード 今年を振り返るキーワード② 「米大統領選挙」(米国)

 

関連マーケットレポート

2016年12月15日 米国の金融政策(2016年12月)1年振りの利上げ、政策金利見通しを上方修正

2016年12月 2日 「トランプ次期政権」の骨格は?(米国)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会