メキシコの金融政策(2016年12月)政策金利を0.5%引き上げ、通貨防衛の利上げが続く
メキシコの金融政策(2016年12月)政策金利を0.5%引き上げ、通貨防衛の利上げが続く
【ポイント1】政策金利を0.5%引き上げ
今年5回目の利上げ
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は15日、金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、5.75%とすることを決めました。利上げ幅は市場予想(0.25%、ブルームバーグ)を上回るものでした。
■14日の米連邦準備制度理事会(FRB)による1年ぶりの利上げを受け、メキシコペソのさらなる下落とそれによる物価上昇圧力を抑えることが目的です。
■中銀の利上げは、2月、6月、9月、11月に続き、今年5回目です。
【ポイント2】インフレ圧力を警戒
国内景気の下振れリスクも言及
■中銀は声明文で、米国の財政・金融政策がドル高を招いていることやエネルギー価格が上昇していることから、グローバルにインフレ圧力が高まっていることを指摘しました。通貨安を背景に先行きのインフレ期待も上昇しているとし、警戒感を示しました。
■また、米国の通商政策が貿易や投資の妨げになる可能性があると、国内経済を取り巻く環境についてリスクを指摘しました。
【今後の展開】ペソ相場は落ち着きどころを探る展開
■メキシコの11月の消費者物価指数は、前年同月比で3.31%の上昇と、約2年ぶりの高い上昇率となりました。通貨ペソが米ドルに対して安値で推移しており、輸入品の価格上昇が物価を押し上げたと考えられます。中銀は、インフレ圧力の高まりを警戒し、物価目標(3%)の達成に向けて、今後も利上げを行うと見られます。
■予想を上回る利上げを受けて、ペソは対米ドルで反発しました(15日、NY市場)。ペソは、トランプ次期米大統領の通商政策や財政・金融政策をにらみながら、当面落ち着きどころを探る展開が見込まれます。
(2016年12月16日)
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