改善が続く「街角景気」(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは52.5ポイントへ上昇

住宅関連、小売関連で大きく改善

■11月の「景気ウォッチャー調査」では、「街角景気」の実感を示す「現状判断DI(季節調整値)」が前月比+3.2ポイントの52.5ポイントと、消費増税前の2014年3月以来の水準となり、2015年12月以来の中立水準超えとなりました。項目別では、すでに良好な水準にある雇用関係が同▲0.1ポイントとわずかに低下しましたが、住宅関連が同+6.2ポイント、小売関連が同+4.8ポイントと大きく改善しました。

■街角の声には、「気温が低下してきたため、婦人ファッションの衣料に動きが出始めた。前年は暖冬だったことから、前年を上回る数字で推移している」(北陸・百貨店)など、気温の低下から季節に合った商品の売れ行きの好調さが挙げられました。また、「株価の上昇が良い雰囲気を生んでおり、景況感は良好である」(東海・一般小売店)など、米大統領選挙後の株高を好感する声も聞かれました。

 

【ポイント2】先行き判断DIは一段と改善

インバウンド消費の回復に期待

■2~3カ月先の景気を聞いた「先行き判断DI(季節調整値)」は、+1.6ポイントの53.0ポイントとなりました。

■街角の声には、「株価の上昇や円安など、改善のための新しい要因が出てきている」(南関東・百貨店)や、「円安傾向により、海外からの訪日客の増加に期待したい」(近畿・都市型ホテル)など、上記の米大統領選挙後の株高とともに進んだ円安によるインバウンド消費の回復などを期待する声が聞かれました。このほか、現状判断の声にも見られた新車販売の好調さが今後も続くことへの期待も聞かれました。

 

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【今後の展開】株高・円安基調の継続、新車販売動向などに注目

■11月8日の米大統領選挙直後の日本市場では株安・円高となりましたが、その後は一転して株高・円安基調となっています。トランプ次期大統領の政策期待が先行しているものの、これによる街角の景況感は改善が進んでいます。内閣府は今回の調査結果を受けて「着実に持ち直している。」と見ています。今後は、株高・円安基調の継続や、発売が予定される新車の販売動向、政府の経済対策の効果発現などに注目です。

(2016年12月12日)

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