豪州のGDP成長率(2016年7-9月期)足元は不調だが、今後は回復に向かう見通し

2016/12/07

豪州のGDP成長率(2016年7-9月期)足元は不調だが、今後は回復に向かう見通し

【ポイント1】5年半ぶりのマイナス成長

 設備投資、政府支出の不振による

■2016年7-9月期の豪州の実質GDP成長率は前期比▲0.5%となり、市場予想の同▲0.1%を下回りました。マイナス成長は、同▲0.2%となった11年1-3月期以来5年半ぶりのことです。

■資源価格の下落により資源セクターの設備投資が大きく落ち込んだうえ、輸出が伸び悩んだこと、政府支出が減少したことが主な要因です。

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【ポイント2】来年から成長率再加速へ

資源価格の持ち直しが貢献

■豪州準備銀行(RBA)は、12月6日に開かれた金融政策決定会合で、年末にかけて国内景気は鈍化するものの、「2017年から拡大ペースは再加速」するとの見通しを明らかにしました。

■雇用の改善や金利低下により個人消費が拡大基調を維持することに加え、天然資源価格の持ち直しや設備増強に伴う液化天然ガス(LNG)などの資源輸出の増大で、資源セクターの立ち直りが期待されるからです。政府部門も、新たな歳出削減の強化をしていないため、回復に向かう見込みです。

 

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【今後の展開】豪ドルは底堅い展開へ

■GDP統計発表直後の豪ドルは、成長率が事前予想を下回ったため、円や米ドルといった主要通貨に対して下落しました。ただ、資源価格の上昇が下支えとなり、下落の幅は極めて小幅にとどまりました。

■今後は、国内景気の復調に加え、トランプ次期米大統領の財政支出拡大に伴う世界経済の拡大期待等から、豪ドルは底堅く推移する見通しです。

 

(2016年12月 7日)

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