「法人企業統計」、設備投資が減少(日本)
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「法人企業統計」は、国内企業約2万3,300社(うち金融・保険業以外は約2万社)の財務諸表を集計した統計で、四半期毎に実施されます。この統計により、国内企業の売上高や利益の増減、バランスシート(貸借対照表)などの現状が把握できます。中でも設備投資は、国内総生産(GDP)を算出する基礎となるデータのため、市場関係者の注目を集めています。 |
【ポイント1】設備投資は14四半期ぶりに減少
製造業、非製造業ともに減少
■財務省は1日、2016年7-9月期の「法人企業統計」を発表しました。全産業(金融・保険業除く)の設備投資の伸び率は前年同期比▲1.3%と、14四半期ぶりに減少しました。業種別で見ると、製造業は、情報通信機械や生産用機械などの減少が影響し、同▲1.4%となりました。また非製造業は、建設業の減少が大きく、次いで情報通信業、物品賃貸業などの減少が影響し、全体では同▲1.3%となりました。
【ポイント2】経常利益は増加に転じた
売上高は減少傾向続く
■全産業(金融・保険業除く)の売上高は、前年同期比▲1.5%と4四半期連続で減少しました。製造業は、鉄鋼やはん用機械の減少などにより、同▲3.4%となりました。また非製造業は、建設業や運輸業、郵便業の減収などにより、同▲0.7%となりました。
■経常利益は前年同期比+11.5%と、1年ぶりに増加しました。サービス業での持ち株会社の受取配当金により、非製造業が同+24.5%と大幅な増益となったことが主因です。また、営業利益を見ると同▲3.0%と3四半期連続の減益となっています。
【今後の展開】日本経済は底堅く推移しよう
■7-9月期の「法人企業統計」の設備投資は、季節調整値でみると前期比+0.4%と小幅ながら、1年ぶりに増加に転じました。今回の結果をもって、7-9月期のGDP成長率の改定値が8日に発表される予定ですが、速報値からは小幅な修正にとどまると考えられます。
■足元では、今夏までの円高や熊本地震の悪影響などは薄らいできました。米国でトランプ次期大統領が選出され、米ドル高円安傾向となっており、先行き不透明感の弱まりとともに、日本経済は底堅く推移すると見込まれます。
(2016年12月 5日)
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