最近の指標から見る中国経済(2016年11月)民間投資の持ち直しで景気は安定的な推移へ

最近の指標から見る中国経済(2016年11月)民間投資の持ち直しで景気は安定的な推移へ

【ポイント1】固定資産投資の伸び拡大

民間投資の伸びが加速

■1~10月の固定資産投資は前年同期比+8.3%と、1~9月(同+8.2%)から増加率がやや拡大しました。固定資産投資全体の約6割を占める民間投資の伸びは同+2.9%と、1~9月(同+2.5%)から加速しました。

■10月の鉱工業生産は前年同月比+6.1%となり、9月から横ばいでした。

■10月の小売売上高は前年同月比+10.0%と、9月(同+10.7%)から伸び率が鈍化しました。自動車販売が、9月の同+13.1%から10月に同+8.7%へ減速したことが主因です。

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【ポイント2】外貨準備は小幅な減少

大規模な資金流出は見られず

■10月末の外貨準備高は9月末より457億ドル少ない3兆1,207億ドルでした。ただし、為替変動の影響を除いて前月差を見ると、9月の249億ドルから10月には168億ドルへ流出額が縮小した計算となります。外貨準備の流出額は比較的落ち着いており、足元では大規模な資金流出は見られません。
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【今後の展開】民間投資の持ち直しで景気は安定的な推移へ

■今月の主要経済指標で最も注目されるのは、固定資本投資における民間投資が伸びてきていることです。中国政府の景気支援の姿勢が民間企業の経営者に認識された結果、民間投資が7月を底に回復してきたものと考えられます。民間投資の持ち直しは、財政政策への依存を多少低下させても景気には大きな問題が生じにくいことを示唆しています。大規模な資本流出も見られないことから、景気は安定的な推移を続けることが可能と見込まれます。

(2016年11月15日)

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