米国の債券市場(2016年11月)利上げ観測にトランプ・ショックが加わり利回りは急上昇

米国の債券市場(2016年11月)利上げ観測にトランプ・ショックが加わり利回りは急上昇

【ポイント1】国債利回りは上昇

年内利上げ観測が台頭

■10月の米国10年国債利回りは、景気拡大を示唆する経済指標を受けて、年内利上げ観測が強まったため、月初に1.6%強だった10年国債利回りは、月末に1.8%台まで上昇しました。

■その後、米大統領選挙でトランプ候補が勝利し、上下院とも共和党が制した11月9日に利回りは大きく上昇し、今年1月下旬以来となる2%台に乗せました。トランプ氏の考える財政支出の拡大や減税が進むとの思惑が高まったためです。

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【ポイント2】社債、地方債も軟調な展開

社債スプレッドは縮小

■国債利回りの上昇を受け、米社債、地方債指数は下落しました。ただ、国債に比べて利回りの高い社債への需要は根強く、米社債スプレッド(国債と社債の利回り差)は小幅縮小しました。今後も景気見通しが改善し、スプレッドは縮小傾向を辿ると見られます。

 

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【今後の展開】緩やかな金利上昇を予想

■政策金利については、米景気が堅調に推移しているため、12月に利上げが実施されると見られます。

■長期金利は短期的な上昇幅が大きく、行き過ぎ感が出ています。ただし、今後は長期金利に上昇圧力がかかると見られます。トランプ氏の経済政策の柱が、財政支出拡大による景気刺激であるからです。しかし、物価上昇率が比較的低い水準で推移する見込みであること、利上げ速度も緩慢と見られることなどを踏まえると、長期金利の急激な上昇は回避されると予想されます。

(2016年11月11日)

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