アジア・オセアニアのリート市場の動向(2016年10月)高い利回りに支えられ底堅い推移へ

アジア・オセアニアのリート市場の動向(2016年10月)

【ポイント1】グローバル市場は下落

各国の長期金利上昇が背景

■10月のグローバル・リート市場は、現地通貨ベースで5.6%の下落となりました。北米、欧州、オセアニア、アジアと、全地域で下落しました。各国の長期金利が大きく上昇するなか、資金調達コストの上昇や配当利回りの魅力度の低下が意識され、下落しました。

■アジア・オセアニア地域を現地通貨ベースで見ると、月間でオセアニアが7.7%の下落、アジアが2.0%の下落となりました。

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【ポイント2】円ベースも下落

円安はプラス寄与

■10月のグローバル・リート市場は、円ベースで3.3%の下落となりました。現地通貨ベースと比べて下落幅が縮小したのは、欧米の長期金利が大きく上昇したことで、日本との金利差が拡大したため、ポンドを除く各通貨に対し円安となったためです。

■アジア・オセアニア地域を円ベースで見ると、オセアニアが4.8%の下落、アジアが0.9%の下落となりました。オセアニア(豪州)は、長期金利上昇が重しとなりました。アジアは、円安の影響で香港が上昇、シンガポールは分配金の成長鈍化などから下落しました。

 

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【今後の展開】アジア・オセアニアの高い配当利回りが相場の支えに

■11月8日の米大統領選挙でのトランプ氏の勝利を受けて、米国では10年国債利回りが2%を超えるなど、長期金利が大きく上昇しました。しかし、アジアや欧州では依然金融緩和政策が継続しており、当面低金利環境が続きそうです。このため、投資家が利回りを求める動きも継続し、リートに対する需要は底堅いと見られます。アジア・オセアニアのリートは、配当利回りが高いことがサポート要因となることに加え、高い経済成長を背景に、業績拡大と増配が見込まれるため、徐々に持ち直すと期待されます。

(2016年11月10日)

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