堅調さが続く米国の雇用統計(2016年10月)雇用は堅調に拡大、賃金上昇率が加速

堅調さが続く米国の雇用統計(2016年10月)雇用は堅調に拡大、賃金上昇率が加速

【ポイント1】雇用者数は16.1万人増

9月の実績値が大幅に上方修正

■2016年10月の非農業部門雇用者数は前月比16.1万人増となりました。

■市場予想(ブルームバーグ集計)の同17.3万人増を下回りましたが、①米南東部を襲ったハリケーンの影響があったと見られること、②9月の雇用者数が速報段階の同15.6万人増から19.1万人増へと大幅に上方修正されたことなどを考慮に入れると、10月の雇用は堅調だったと評価できます。

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【ポイント2】失業率は4.9%

賃金上昇率は前年同月比2.8%

■他方、失業率は4.9%と前月の5.0%から低下しました。労働力人口(労働力の供給)の減少が主因です。

■賃金上昇率は前月比0.4%増、前年同月比では2.8%増と市場予想の同2.6%増を上回る伸びとなりました。自発的離職者比率の上昇が示す通り、労働需給が引き締まりつつあることから、賃金上昇率は今後も緩やかに加速する可能性があります。

 

 

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【今後の展開】株価は景気拡大を反映へ

■雇用統計が公表された11月4日の米国株式市場は下落、国債利回りは低下(国債の価格は上昇)しました。10月の雇用統計は、米景気が引き続き緩やかな拡大基調にあることを示す内容でしたが、市場では11月8日の米大統領選挙でトランプ候補が勝利する可能性に対して警戒感が高まり、リスク回避の動きが強まったためです。

■現時点では、依然クリントン候補が優位と見られ、12月には利上げが実施されると考えられます。その後は、物価上昇率が安定的に推移すると予想されることから、利上げのペースは極めて緩慢と考えられます。このため、株価は景気や企業収益の拡大を織り込む展開に戻ると見込まれます。国債利回りの上昇も限定的と見られます。

(2016年11月 7日)

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