ASEANの「PMI」(アジア)
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日本経済新聞社は、2016年8月度分より、ASEAN(東南アジア諸国連合)の製造業「PMI」(購買担当者景気指数)を公表しています。「PMI」は、景気判断について50を上回ると景気が上向き、50を下回ると下向きの兆候とされる景気動向の先行指標です。ASEANの製造業「PMI」は、インドネシア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、ミャンマーの7カ国が対象です。 |
【ポイント1】ASEANの「PMI」は50.5
2カ月連続の50超え
■日本経済新聞社が3日発表した9月のASEANの製造業「PMI」は50.5と、景気判断の節目となる50を2カ月連続で上回りました。また、前月比でも0.2ポイント上昇しました。
■国別でみると、「PMI」が50を超えているのは、フィリピン(57.5)、ベトナム(52.9)、インドネシア(50.9)で、これらの国は前月比でも改善しており、ASEANの「PMI」をけん引しています。
■一方、「PMI」が50を下回っているのは、タイ(48.8)、シンガポール(48.6)、マレーシア(48.6)、ミャンマー(48.1)でした。ただし、マレーシアとミャンマーは前月比で改善しています。
【ポイント2】フィリピンが高水準
タイはやや弱い動き
■フィリピンは、域内で最も高い水準を維持しています。輸出依存度が低いため中国経済の影響を受けにくく、内需の好調が製造業に波及している模様です。
■タイは、調査開始の15年12月以降で最低水準となりました。8月のタイ自動車生産台数が前年同月比で2カ月連続のマイナスとなるなど弱含みの動きです。
【今後の展開】ASEAN経済は好調を維持
■ASEAN経済は、中国景気の減速によって輸出が不振に陥り、足踏み状態が続いていましたが、各国の財政支出の増加などを受けて、域内需要の増加に支えられた回復傾向が見られます。フィリピンやベトナム、インドネシアを中心に業況の改善傾向が続きそうです。景況感が低迷しているタイについても、17年の総選挙を控え、今後追加金融緩和など政策が総動員されることが期待されます。ASEAN経済は今後も財政政策や金融緩和に支えられ好調を維持しそうです。
(2016年10月7日)
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