トルコの金融政策(2016年3月)~金利誘導レンジの上限を引き下げ~
トルコの金融政策(2016年3月)~金利誘導レンジの上限を引き下げ~
【ポイント1】上限金利を0.25%引き下げ
主要な政策金利は据え置き
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は24日、金利誘導レンジの上限を0.25%引き下げ10.50%とすることを発表しました。足元では、米国の利上げへの警戒感が薄らぎ世界的に金融情勢が安定化しつつあり、トルコリラは底堅く推移しています。中銀はこうした環境下、金利誘導レンジを広く維持する必要性が低下したと判断しました。
■一方、主要な政策金利である1週間物レポ金利は7.50%に、金利誘導レンジの下限は7.25%に、それぞれ据え置きました。
【ポイント2】金融引き締め姿勢を継続
誘導レンジには引き下げの可能性
■2月の消費者物価指数は前年同月比+8.78%と中銀の目標(年+5%)を大きく上回っています。中銀は、14年1月に通貨防衛のため大幅に利上げして以降、利下げを限定的にとどめています。今回も金融引き締め姿勢を続ける方針が示されたことから、当面主要な政策金利は据え置かれそうです。
■一方、相次ぐテロによる観光客減少などから、景気には不透明感が強い状況です。中銀は、景気への配慮を強める場合、金利誘導レンジをさらに引き下げて市中金利の低下余地を作る可能性があります。
【今後の展開】リラは底堅い推移継続へ
■隣国シリアの軍事情勢や難民問題などを巡りトルコと欧米主要国の外交関係が深化しており、エルドアン大統領やダウトオール首相を中心とする政権に安定感が高まっています。高金利の下支えもあり、リラは底堅い推移が続きそうです。
(2016年3月25日)
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