最近の指標から見るブラジル経済(2016年3月)~物価上昇率が低下、消費者信頼感が改善~
最近の指標から見るブラジル経済(2016年3月)~物価上昇率が低下、消費者信頼感が改善~
【ポイント1】消費の低迷が継続
消費者信頼感は改善
■1月の小売売上高は前年同月比▲10.3%と、前月の同▲7.2%からマイナス幅が拡大しました。一方、消費者信頼感指数は1月に続き2月も上昇しました。
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、景気への配慮から政策金利の引き上げを昨年7月で打ち止めにしています。消費者心理の改善が景気の持ち直しにつながるかが注目される局面です。
【ポイント2】物価上昇率が低下
市場の一部に利下げ期待
■3月前半の消費者物価上昇率は前年同月比+9.95%と、昨年10月以来の1桁になりました。物価高がピークアウトしたとの観測などから、市場では利下げ期待がやや高まりました。
■ただし、直近の物価上昇率低下は、天候に左右されやすい野菜など食品価格の落ち着きによるところが大きく、利下げのきっかけになりにくいとの指摘が見られます。中銀の次回会合(4月26日~27日の予定)までに発表される3月全体、4月前半の物価指標が市場の注目を集めそうです。
【今後の展開】政治的不透明感が続く
■中国の景気不安や資源価格の下落が一服し、ブラジルレアルは足元で持ち直しつつあります。一方、景気低迷や汚職問題への不満などから大規模な反政府デモが発生し、議会ではルセフ大統領の弾劾手続きが始まりました。政治的不透明感から、レアルは当面振れの大きい展開となりそうです。
(2016年3月24日)
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