最近の指標から見る中国経済(2016年3月)~景気減速が続き、金融・財政政策強化の期待が拡大~

最近の指標から見る中国経済(2016年3月)

【ポイント1】景気は下振れ

素材などの生産の減少が続く
■2月の製造業PMIは、1月から低下し、節目となる50を7カ月連続して下回りました。1-2月の鉱工業生産指数も前年比の伸びが縮小しました。過剰生産能力の削減や輸出減少などが生産を抑制しました。

■2月の非製造業PMIも、1月から低下しました。  1-2月の小売売上高も前年比の伸びが縮小しました。春節休暇中の消費が期待されたほどではなく、製造業の低迷が影響したと見られます。

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【ポイント2】輸出入の減少続く

物価は一時的に上向く
■2月の輸出入は、前年比で減少が続きました。中国の内需低迷から世界経済が減速し、それが中国の輸出を減少させるという、負の循環が懸念されます。

■2月の消費者物価は、天候要因による食料品価格の上昇を受け、前年比で上昇が加速しました。また、原油や資源価格が反発し、生産者物価も前年比のマイナス幅が縮小しました。しかし、過剰生産能力の削減による物価下落圧力が大きく、物価は上昇しづらい状況が続きそうです。

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【今後の展開】金融緩和と財政拡大により、年「6.5%以上」の成長維持へ

■3月に開催された全人代(全国人民代表大会、日本の国会に相当)で、2016年の経済成長率目標が「年6.5%~7.0%」と決定されました。また、李首相は閉幕後の記者会見で、「中国経済のハードランディング(急激な悪化)」はあり得ないと発言し、内外の不安払拭に腐心しました。

■全人代では、最低限「6.5%以上」の成長を目標に掲げる5カ年計画も決定しました。イノベーション(技術革新)主導の経済発展を目指し、積極的に金融・財政政策を活用すると見込まれます。足元の経済指標は低調であり、目標達成のために政策対応が強化される期待が強まっています。

(2016年3月23日)

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