米国の金融政策(2016年3月)~FOMC声明はハト派的な内容~
米国の金融政策(2016年3月)~FOMC声明はハト派的な内容~
【ポイント1】政策金利を据え置き
景気は緩やかなペースで拡大
■3月15日~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%~0.50%で据え置くことを決定しました。
■声明文は、海外経済の鈍化や国際的な金融市場の混乱にもかかわらず、米国景気は緩やかなペースで拡大したと述べました。
■一方、インフレについては、ここ数カ月で加速したものの、原油価格の値下がりなどもあり、目標値である+2%を下回った状態が続いているとしました。
【ポイント2】世界経済・金融市場がリスク
政策金利の見通しを下方修正
■声明文では、「経済は緩やかな拡大を持続」する見通しとされましたが、「世界経済および金融市場が引き続きリスク」とされました。これが据え置きの判断を下した理由のひとつと考えられます。
■経済予測については、16年、17年の成長率、17年の物価上昇率が小幅に下方修正されました。政策金利の見通しも、前回の年内4回の利上げから2回の利上げに修正されました。
【今後の展開】緩慢な利上げ見通し
■今回の声明文は、全体的にハト派色の濃い内容だったと評価されます。声明文の発表後、米国株は上昇、10年国債利回りは低下、為替市場では米ドルが全面安となりました。
■利上げペースが緩慢なものになることから、経済への影響は当面のところ限定的と考えられます。外需の不振を個人消費をはじめとする内需の拡大で補い、米国景気は緩やかな拡大を維持する見込みです。
(2016年3月17日)
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