米国の債券市場(2016年3月)~国債利回りは小幅に低下~
米国の債券市場(2016年3月)~国債利回りは小幅に低下~
【ポイント1】国債利回りは小幅な低下
景気への過度な悲観論は後退
■2月前半の米国10年債利回りは、低下しました。企業購買担当者指数(PMI)など、月初に公表された中国や米国の景気指標が低調だったこと、原油価格が大きく値を下げたことなどから、リスク回避の動きが強まったためです。
■後半は世界的な株価の回復、原油価格の反発などを受けて、景気の先行きに対する過度な悲観論が後退したため、10年債利回りは緩やかに上昇しました。
■2月末の10年国債利回りは1.73%となり、前月末比0.19%ポイントの小幅な低下となりました。
【ポイント2】社債スプレッドは拡大
日米短期金利差も拡大
■米社債スプレッド(国債との利回り差)は、2月半ばまで拡大しました。しかし、その後はリスク回避の動きが後退したことから縮小に転じ、月間では小幅な拡大にとどまりました。
■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)で見ると、日銀のマイナス金利導入により、日米金利差は拡大しました。
【今後の展開】当面、国債利回りは低い水準で推移する見通し
■2月のISM指数、雇用統計から判断する限り、米国の景気は緩やかな拡大基調にあります。2016年も利上げは継続される見通しです。
■ただし、物価が安定していることから、利上げの速度
は緩やかなものになる見込みです。国債利回りは当
面、低い水準で推移すると予想されます。
(2016年3月9日)
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