最近の指標から見る中国経済(2016年2月)~金融・財政政策の拡大で、年後半に景気は持ち直しへ~

最近の指標から見る中国経済(2016年2月)

【ポイント1】景気は下振れ

1月は悪天候が影響
■1月の非製造業PMIは、悪天候の影響もあり前月から低下しましたが、節目となる50超を維持しました。しかし、製造業PMIは6カ月連続して節目となる50を下回りました。

■小売や物流などの非製造業は底堅いものの、過剰生産能力の削減への取り組みや、世界経済の減速を受けた輸出減少などから、製造業が停滞し、景気が減速しています。

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【ポイント2】貸出と住宅に政策効果

物価の抑制傾向は継続
■1月の新規融資額は約2.5兆元と前月から大きく増加しました。住宅価格が前月比上昇した都市の数も増加傾向で、金融緩和や住宅取得の促進策により、住宅市場に底入れの兆しが見え始めました。

■1月の消費者物価は食料品価格の上昇を受け、前月比の上昇幅が拡大しました。しかし、原油や資源価格の下落、製造活動の低迷により、生産者物価は前年比マイナスが続き、総じて物価は抑制された状態が続いています。

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【今後の展開】金融緩和、財政拡大により、年後半に景気は持ち直しへ

■3月5日からの全人代(全国人民代表大会、日本の国会に相当)で、2016年の経済成長目標が「年+6.5%~+7.0%」と幅を持って決定されると見込まれます。追加金融緩和や財政の一層の拡大が景気の底入れの動きを後押しし、年後半に景気は持ち直すと見られます。

■全人代では、今年からスタートする次期5カ年計画も決定されます。経済構造改革と中高速の成長の両立を狙い、「国有企業改革」、「中国製造2025」、「インターネットプラス」、欧州やアジアとの貿易や投資の相互拡大を狙う「一帯一路」など、今後の成長を強化する政策の深化が期待されます。

(2016年2月26日)

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