米国の住宅市場~労働市場の改善を背景に拡大基調を維持~
米国の住宅市場~労働市場の改善を背景に拡大基調を維持~
【ポイント1】住宅需要は拡大基調
価格も上昇を維持
■米国の住宅市場は2010~11年を底に、回復軌道を辿っています。2016年1月は中古住宅販売件数が547万件、前月比0.4%増、新規着工件数は年率110万件、同3.8%減でした。着工件数の減少は、東海岸を襲った暴風雪など天候の影響によるところが大きいと考えられます。
■販売件数が増加基調にあることから、住宅在庫は適正といわれる水準を下回った状態が続いています。在庫不足から住宅価格は上昇を続けています。米国の代表的な指標であるS&Pケースシラー全米住宅価格指数で見ると、2007年2月につけた史上最高値にあと一歩の水準に迫っています。
【ポイント2】雇用増が需要増の要因
価格の先高観も寄与
■住宅市場の回復は、緩和的な金融環境のもとで、労働市場が大きく改善していることが寄与しています。雇用増により所得が増加するとともに、それまで経済的な理由から親と同居していた若者が独立して新しい世帯を形成し、これが住宅需要を喚起しています。
■さらに、住宅価格の上昇による貢献も見逃せません。手が届かない水準まで値上がりする前に、住宅を購入しようという動きを促すからです。
【今後の展開】住宅市場は引き続き拡大の見込み
■景気・雇用の持続的な拡大により、16年も利上げは継続されると予想されます。しかし、そのペースは緩やかなものになる見込みであり、住宅需要を失速させる可能性は低いと考えられます。
■金利や家賃の水準などから総合的に見ると、まだ住宅価格の割高感は強くありません。ただ、所得に対する住宅価格の倍率が過去平均を上回ってきたことには注意を払っておく必要があります。
(2016年2月25日)
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