最近の指標から見るインド経済(2016年2月)~物価目標を達成、利下げによる景気下支えに余地~

最近の指標から見るインド経済(2016年2月)

【ポイント1】生産は天候不順で下振れ

企業の景況感に持ち直しの兆し
■15年12月の鉱工業生産指数は前年同月比▲1.3%と、前月(▲3.2%)に続きマイナスになりました。11月から12月に南部で洪水が発生し、生産活動が一部で停止したことが一因と見られます。

■生産のトレンドが見えづらい状況ですが、製造業の景況感は16年1月に持ち直しています。インド準備銀行(RBI、中央銀行)の政策金利引き下げ(15年中に合計1.25%、現在6.75%)を受けて、景気の基調は底堅いと思われます。

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【ポイント2】1月の物価目標を達成

RBIは引き続き金融緩和スタンス
■16年1月の消費者物価指数は前年同月比+5.69%となりました。食品価格の値上がりなどから足元で上昇しているものの、物価目標(16年1月、同+6%以下)を達成できました。

■RBIは、インドルピー安による物価押し上げへの警戒などから、15年12月と16年2月の2会合連続で政策金利を据え置きました。政府の財政再建への取り組みに対する市場の信頼感が高まり、ルピーが落ち着く場合などには、RBIは利下げする可能性が高いと見られます。

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【今後の展開】利下げによる景気下支えには、政府の財政再建姿勢がカギ

■政府は2月29日に16年度(16年4月~17年3月)予算案を発表する予定です。やり繰りの工夫で人件費上昇の抑制、一部歳出の削減、インフラ整備拡大などを盛り込むことができれば、政府の財政再建姿勢への信頼感が高まると思われます。

■予算案の発表を受けてルピーが安定し、物価上昇懸念が後退する場合には、RBIが次回会合(4月5日の予定)で追加利下げを実施し、景気を下支えするとの期待も高まりそうです。

(2016年2月23日)

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