最近の指標から見るブラジル経済(2016年2月)~利上げ見送りで景況感が持ち直すかに注目~
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【ポイント1】生産と消費の低迷が継続
ジカ熱の広がりも懸念材料
■15年12月の小売売上高は、前年同月比▲7.1%とマイナスが続きました。物価高、金利高、ジカ熱の広がりなどから消費者心理の低迷が続いており、消費の持ち直しは期待しづらい状況です。
■15年12月の鉱工業生産指数は同▲11.9%と、14年3月以降マイナスが続いています。中国の景気減速などから外需も弱く、景気の低迷は当面続きそうです。
【ポイント2】物価高が続く見込み
中銀は景気に配慮し様子見
■16年1月の消費者物価指数は、前年同月比+10.71%となりました。野菜など食品価格の値上がりや、財政難の影響を受けた電気料金の引き上げが物価の主な押し上げ要因となっています。
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、1月の会合で市場予想に反して政策金利を据え置き、利上げを見送りました。物価抑制を優先してきたこれまでの方針を軌道修正し、景気下振れへの警戒をより強めたかたちです。これを受け、市場では利上げ観測が大幅に後退しました。
【今後の展開】景況感持ち直しなどに期待
■景気低迷と物価高が長期化するなか、中銀が景気への配慮を強め利上げを見送ったことから、企業や消費者の心理が改善するか注目されます。景況感の改善など景気持ち直しの兆しが見られれば、ブラジルレアルが足元の下落傾向から持ち直すきっかけになると期待されます。
(2016年2月17日)
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