「物価安定」で成長加速に期待(インド)

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インド準備銀行(RBI、中央銀行)はインフレターゲット制度を採用しています。ターゲット(目標)は消費者物価指数の上昇率を16年1月に前年比+6%以下、16年4月以降は同+4%を中心に上下2.0%としています。15年においては、7月に同+3%台まで低下するなど概ね「物価安定」が続いたことから、RBIは政策金利を年間合計1.25%引き下げ、6.75%としています。

【ポイント1】インフレは目標の範囲内に収まる

政府のインフラ整備が物価上昇を抑制
■RBIは、16年1月の消費者物価指数(本日発表予定)が、当初ターゲット(年+6%以下)に収まったと見ています。市場でも+5.4%程度と予想されています。「物価安定」の背景には、政府の経済構造改革でインフラ整備が進み野菜などの流通価格が抑えられていることや原油安の恩恵などがあります。

■RBIは、野菜などの作柄、原油価格、ルピーが安定的に推移すれば、物価上昇率が16年度末(17年3月)までに年+5%程度に落ち着くと予想しています。

【ポイント2】「物価安定」で景気は堅調

追加利下げで成長加速
■「物価安定」により、消費を中心に景気は堅調です。市場では、15年度(15年4月~16年3月)の実質GDP成長率は政府予想の前年度比+7.6%を達成するとの観測が強まりつつあります。

■また、RBIの予想通りに「物価安定」が続くことで追加利下げが可能になり、16年度は成長率が同+8%近くに加速するとの観測もあります。

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【今後の展開】29日発表予定の政府予算案が追加利下げを見極める上で重要に

「物価安定」に公務員給与引き上げがリスク
政府は2月29日に16年度予算案を発表する予定です。公務員給与などの引き上げ(全体で23.6%)が答申されており、そのまま実施されると景気と物価を押し上げると見られます。RBIの物価予想にはこれが織り込まれておらず、予算案の内容が注目されます。

予算案次第で追加利下げへ
予算案で人件費上昇が複数年度に分散するなど影響を抑え、中期的な財政再建に道筋を示すことができれば、RBIが次回会合(4月5日の予定)で追加利下げを実施する可能性が高まります。その場合、景気が加速する期待も高まりそうです。

(2016年2月12日)

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