日本株式は再び売られ過ぎ、低金利が株価を下支え

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【ポイント1】日経平均は900円超下落

米ドル円レートは114円台に
■9日の日経平均株価は大幅に下落し、前日比▲918.86円の16,085.44円でした。前日の欧米株式市場が下落した流れを引き継ぎ、リスク回避の動きが強まりました。米ドル円レートは、いわゆる「リスク回避の円高」が進み、2014年11月以来となる114円台での推移となっています。逃避資金が国債などに向かい、日本の10年国債利回りは初めてマイナスとなりました(9日16時マイナス0.030%)。

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【ポイント2】欧州大手銀行に信用不安?

株価は売られ過ぎの領域に
■市場の混乱は、中国をはじめとした世界景気への不透明感や原油安への不安が引き続き影響していることに加え、欧州の大手銀行に対する信用不安が浮上していることも一因です。報道によると、社債を調査するアナリストらが、ドイツ銀行の高リスク債券について、利払いが来年困難になる可能性を指摘し、同行の信用保証料が約4年振りの高水準に達しました。同行は、利払いに対応する資金力は十分としていますが、リスク回避の動きは止まっていません。

■株式市場はリスク要因を過度に織り込んでいると見られ、売られ過ぎや割安さを示す指標が再び目立っています。9日の東証1部の騰落レシオは63.4%と、売られ過ぎとされる70%を大きく下回っています。

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【今後の展開】マイナス金利の定着へ、株価は割安な指標もあり徐々に安定化

■中国の景気は、既に不動産投資に上向きの兆しが見られるうえ政策余地もあり、徐々に底堅さを取り戻しそうです。また、日銀のマイナス金利政策を受け広範に金利が低下し、比較的長い年限でもマイナス金利が定着しそうです。

■低金利は、企業活動や株式市場にはプラスと考えられます。日本企業の業績は、円高による下方修正があったとしても、2016年度に向け過去最高益を更新する見込みであり、企業収益への注目が高まれば市場は徐々に安定化へ向かうと予想されます。

(2016年2月9日)

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