「街角景気」、先行き判断が上昇(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは下落

3項目すべてが下落、家計の飲食、企業の非製造業の悪化が目立つ
■2016年1月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間1月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月から2.1ポイント下落の46.6ポイントとなりました。家計動向、企業動向、雇用関連の3項目全てが下落しました。個別項目では、家計の飲食関連、企業の非製造業の落ち込みが目立ちました。

■街角の声には、「雪国ながら雪がほとんどない年末年始であったため、近隣スキー場は1月中旬までオープンできず、周囲の宿泊施設も影響を受けている(北関東の観光名所)」などの暖冬の影響の指摘や、「中国経済の影響で輸出が伸び悩み、思ったほどの荷動きが期待できない(北陸の運送業)」なども聞かれました。

【ポイント2】先行き判断は上昇

家計、企業とも上昇
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は、前月から1.3ポイント上昇の49.5ポイントでした。雇用関連は若干下落しましたが、家計動向、企業動向が上昇しました。

■街角の声には、「衣料品等は苦戦が想定されるものの、引き続きインバウンド、特選ブランドや宝飾品が売上をけん引すると考えている(東海の百貨店)」、「2月は春節により需要が増え、3~4月は観光シーズンに向かって徐々に伸びてゆく(南関東の都市型ホテル)」といった声もありました。

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【今後の展開】暖冬に加え、中国景気の減速懸念や株価下落が影響

燃料価格の下落によるプラス影響も
今回の調査では、企業動向で燃料価格の下落が下支えになっている側面がうかがわれました。しかし、現状および先行き判断について、暖冬や中国景気の減速懸念を指摘する声が複数見られました。株価下落などの悪影響への言及もありました。

人手不足のなか設備投資や賃金上昇に期待
雇用関連は、現状、先行きともに前月から下落し、それぞれ54.8、54.4となりましたが、いずれも50を超えています。人手不足が進行するなか、設備投資の拡大や賃金上昇が実現すれば、景気回復ペースの加速につながると期待されます。

(2016年2月9日)

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