「TPP」署名後の見通し(日本)
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「環太平洋経済連携協定(TPP)」は、太平洋を囲む12カ国で、関税撤廃と、ヒト・モノ・サービス・投資の自由化を進め、知的財産権、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築するものです。参加12カ国は2月4日、協定に署名しました。署名によって協定内容が確定しました。各国での承認手続きを経て、世界のGDPの約4割を占める大型の通商協定が誕生することになります。 |
【ポイント1】12カ国が協定に署名、発効に向け前進
大型通商協定がいよいよ誕生へ
■2月4日、参加12カ国は、ニュージーランドのオークランドで署名し、「TPP」協定の内容が確定しました。後は発効を残すのみとなりました。発効には参加国が2年以内に国内手続きを終えるか、域内のGDPの85%以上の6カ国以上の国内承認が必要とされています。
【ポイント2】日米がカギを握る
参加表明国にも期待
■「TPP」協定は域内GDPの85%以上の国内承認が得られれば、2年も待たずに発効します。国際通貨基金(IMF)によると、2015年のGDPは世界全体で73.5兆米ドルとなったのに対し、参加12カ国が27.7兆米ドルと37.7%を占めます。日米のGDPは「TPP」参加国合計の80.5%を占めます。世界の約4割を占める巨大な経済圏誕生のカギを握っているのは日本と米国です。
■「TPP」交渉が大きく前進する中、新規加盟を表明する国々の参加にも期待が強まっています。インドネシア、フィリピン、タイといったASEAN加盟国に加え、台湾、韓国が参加を表明しています。新規加盟は「TPP」発効後となります。
【今後の展開】発効のタイミングは、米国の議会承認次第
■「TPP」協定発効にはそれぞれ各国の議会承認が必要ですが、その時期は米国次第と言えそうです。米国は大統領選挙に向けた選挙戦が本格化するため、議会承認は早くて2月中か、それを逃すと選挙後の秋と言われています。
■世界経済は緩やかに回復していますが、中国の景気減速などを背景に、貿易量は伸び悩んでいるとみられます。こうした中、「TPP」の実現により貿易や投資を自由に行うことができるようになり、参加国にとっては貿易の拡大につながり、経済発展に結び付けることができます。各国及び産業、企業は一段と前向きに対応することが求められています。
(2016年2月8日)
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