日銀の金融政策(2016年1月)~「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を決定~

日銀の金融政策(2016年1月)~「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を決定~

【ポイント1】初のマイナス金利を導入

「量」・「質」・「金利」の3次元で緩和
■日銀は、28日~29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定しました。従来の「量的・質的金融緩和」の維持に加え、新たに「マイナス金利」を導入する内容です。日銀は、従来の「量」、「質」に「金利」を加えた3つの次元で金融緩和を進めるとしています。

■一般に、マイナス金利は、預金する際に手数料を支払うことを意味します。今回の決定は、金融機関が保有する日銀当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利を適用するというものです。当座預金を3階層に分けて、それぞれ+0.1%、0%、▲0.1%を適用することにより、マイナス金利が金融機関の収益を圧迫して、金融仲介機能が弱まる懸念に対処したとしています。

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【ポイント2】株価は乱高下後大幅に上昇

米ドル円レートは円安方向の反応
■29日の日経平均株価は、日銀の発表を受け急騰急落した後再び急上昇し、終値は前日比+476.85円の17,518.30円でした。米ドル円レートも乱高下の後、円安方向の動きとなり、日本時間の29日15時に120.60円となっています。

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【今後の展開】物価目標の達成時期の見通しは、2017年度前半に後退

■今回の決定には、金融機関がマイナス金利を避けるため現金保有額を増やすことを回避する措置も盛り込まれました。マイナス金利の実効性を高め、あわせて大規模な長期国債買入れを続けることで、金利全般により強い下押し圧力を加えていくとしています。さらに、今後必要な場合には「金利を引き下げる」とし、デフレ脱却への強い意志を示しました。

■同時に発表された「展望レポート」で日銀は、原油安の進行を理由に、2%の物価目標達成の見通しを「2017年度前半頃」へ約半年後ずれさせました。また、声明文では、金融市場が世界的に不安定となっていることが企業や個人の心理に影響し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクにも言及しました。これらが今回の追加措置決定の背景にあります。

(2016年1月29日)

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