米国の金融政策(2016年1月)~FOMC声明はハト派的な内容~
米国の金融政策(2016年1月)~FOMC声明はハト派的な内容~
【ポイント1】政策金利を据え置き
労働需給は一段と改善との見方
■1月26日~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%~0.50%で据え置くことを決定しました。
■声明文は、昨年後半の経済成長は鈍化したものの、労働市場の改善が一段と進み、経済のスラック(需給の緩み)は幾分か縮小したと述べました。
■一方、インフレについては、原油価格の値下がりなどもあり、目標値である+2%を下回った状態が続いているとされました。
【ポイント2】金融市場等の動向を精査
緩やかな利上げ継続へ
■FOMCの経済見通しに対するリスクについて、前回の声明文では「上振れと下振れが均衡」しているとされましたが、今回これが削除されました。
■代わって、「世界経済および金融市場の動向を精査」するとの文言が挿入されました。中国経済の先行き不透明感や、それによる世界的な金融市場の混乱を反映したものと見られます。
■これらを踏まえたうえで、「緩やかなペースで利上げが実施」される見通しであることを、改めて表明しました。
【今後の展開】緩慢な利上げペース、緩やかな景気拡大の見通し
■緩やかな利上げの方針が維持されたことから、3月利上げの可能性も残されました。ただし、金融市場混乱への警戒感などを踏まえると、3月実施の可能性は低いと考えられます。
■利上げペースが緩慢なものになることから、経済への影響は当面のところ限定的と考えられます。外需の不振を個人消費をはじめとする内需の拡大で補い、米国経済は緩やかな成長を維持する見込みです。
(2016年1月27日)
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