4月から「電力小売りの自由化」が始まる(日本)

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4月から「電力小売りの自由化」が実施されます。2000年の大口電力の自由化に続き、いよいよ一般家庭が電力会社を自由に選べるようになります。既にガス、石油精製、製紙、通信、商社など多数の会社が新規参
入を表明しており、料金プランの発表などが行われています。電力会社も対抗上、新たな料金プランを提示するなど、競争が活発化しています。

【ポイント1】電力会社を自由に選べるようになる

新規参入が相次ぎ登録事業者は全国で130社
■電力の自由化は、電圧や契約容量の大きな分野から段階的に進められてきました。2011年の東日本大震災を契機に、電力供給システムの改革が必要との観点から、様々な施策が進められましたが、「電力小売りの自由化」と事業者の新規参入はその一環です。

■4月以降は一般家庭向けの小口電力市場においても、新規の電力会社の参入が認可され、消費者は電力会社を選択することが可能となります。1月18日現在で小売電気事業者の登録審査を通過した会社は全国で130社にも達します。

【ポイント2】電力消費が多い家庭では割安に

競争原理が働く
■新規参入会社の料金プランを見てみると、電力の使用量が多い家庭(月額1万円以上がめど)で、従来の電力会社の料金と比較して5%程度安くなるものが多いようです。電力料金以外にも石油会社なら系列ガソリンスタンドでの割引や、通信会社なら電話料金の割引などが組み込まれる模様です。

■これに対抗するため、電力会社も新たな料金プランを作成し実質的に値下げを行う予定です。ただし、消費量が少ない家庭の場合は、料金が逆に割高になる例もあるため注意が必要です。

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【今後の展開】送配電部門の開放が今後の重要なポイントに

海外の例ではデメリットも発生
消費者にとって自由化は良いこと尽くめのように思われますが、先行した海外の例では、料金が逆に上昇したり(イギリス)、供給体制が不安定になり大規模停電の発生(アメリカ)などのケースも見られました。制度運用には、十分な注意と監視が必要と思われます。

電力会社の送配電部門の開放が必要
新規参入企業は、自前の送・配電線網を所有していないため、電力の供給は託送料を支払って地域の電力会社の設備を借りることになります。公平な競争が行われるためには、既存の電力会社が所有する送配電部門の開放が今後の重要なポイントです。

(2016年1月28日)

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