ECBの金融政策と市場動向~3月の追加金融緩和を示唆~

ECBの金融政策と市場動向~3月の追加金融緩和を示唆~

【ポイント1】現状維持を決定

次回理事会での追加緩和を示唆
■欧州中央銀行(ECB)は21日、政策金利、預金金利を、それぞれ0.05%、マイナス0.30%に据え置くことを決定しました。また、月600億ユーロの国債などの購入策を2017年3月まで継続する方針を維持しました。

■またドラギ総裁は会見で、3月に政策スタンスの再評価を行うとして、追加緩和を示唆しました。

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【ポイント2】物価の下振れを懸念

市場安定化には不透明
■総裁は会見で、政策スタンスの再評価を行う理由として、新興国経済への懸念の強まり、金融市場の変動の高まり、地政学リスクの3つを挙げ、これらが経済の重荷となり、物価見通しが下振れていると指摘しました。

■12月のユーロ圏の消費者物価上昇率は、前年同月比+0.2%にとどまり、ECBの目標である2%を大きく下回っています。

■今回は、12月に追加緩和を決めた直後の示唆でもあり、市場の想定外でした。ドラギ総裁の会見開始後は、株価は上昇、ドイツ国債の利回りは低下、ユーロは対円、対米ドルで下落しました。

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【今後の展開】預金金利の引き下げや購入規模拡大などの追加緩和が見込まれる

■追加緩和の内容として、預金金利のさらなる引き下げ、国債などの購入策の期限再延長や規模の拡大、購入対象の社債などへの拡大が予想されます。ただし、追加緩和に消極的な理事もいるため、説得に時間を要することも予想されます。

■ドイツ国債の利回りは、金融緩和の継続から低位での推移が予想されます。株式市場では、短期的には、売られ過ぎ局面からの反発が予想されます。為替市場では、ユーロの対円レートは、日銀も金融緩和策を継続しており、方向感が出にくいと見られます。

(2016年1月22日)

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