銅電線が「アルミ」に代わる(日本)

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「アルミ」は非常に軽く耐久性もある金属として知られています。身の回りを見ても窓のサッシや、自動車のホイール、航空機や電車のボディー材などに多用されています。電線の分野では、これまで導電性に優れる銅が多く使用されてきましたが、近年価格差や重量差に注目して「アルミ」に置き換えようという動きが活発化しています。

【ポイント1】関西電力が配電線の更新に「アルミ」電線を採用

 コスト削減が目的
■関西電力では、配電線網の銅線から「アルミ」線への変更を、2016年から本格化します。銅線に比べ調達費用が2~3割低下するうえ、軽量で保守点検も容易となるメリットがあるためです。銅線の多くは1960年代に整備されたため、その更新投資が必要となっていますが、「アルミ」に代えることでコスト削減が図られます。

■電気を通す性能では銅の方が優れているため、「アルミ」配電線の直径が太くなり、風圧で電柱の強度が不足するという問題が最大の課題でした。ただし、電線の表面にゴルフボールのように凹凸をつけることにより、風の抵抗を減らし既存の電柱でも耐えられるようになったという技術進歩がありました。

【ポイント2】「アルミ」線の利点は?

価格は銅の三分の一
■「アルミ」の価格はかつては同じ重さの銅と同じぐらいの値段でしたが、近年は銅の約三分の一程度で推移しています。原料の制約が少なく、電力さえ調達できれば生産できるため、世界的に産地が拡大したためです。原料産地が限定される銅に比べ価格も比較的安定しています。

■導電性は銅に比べやや劣りますが、線の直径を太くすることで電線にも使用されます。送電線の鉄塔は電線が軽いほどコストが下がるため、架空送電線分野では、「アルミ」線が古くからほぼ100%のシェアを持っています。

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【今後の展開】自動車の配線やボディー材でも「アルミ」化が進展へ

軽量化で燃費の改善に貢献
配電線分野以外でも、「アルミ」電線は自動車での採用が増加しつつあります。電装化が進んだ最近の自動車では、1台あたり30キログラム近い銅電線を使用しますが、「アルミ」に代えることにより、自動車の軽量化、ひいては燃費改善に大きく貢献します。

自動車のボディーへの採用も進行
自動車のボディー材や部品への「アルミ」の採用も徐々に進んでいます。鋼材に比べるとコストが約3倍と高いのが難点で、高級車や一部の部材に限定されていますが、燃費規制は今後も厳しくなるにつれ、「アルミ」の採用は今後も拡大する見通しです。

(2016年1月18日)

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