日本株式市場、足元の動向と今後の見通し~中国景気と原油などをにらみ落ち着きどころを探る展開へ~

日本株式市場、足元の動向と今後の見通し~中国景気と原油などをにらみ落ち着きどころを探る展開へ~

【ポイント1】年初からの下落は9.4%

中国要因、原油安、地政学リスク
■14日の日経平均株価は、前日のNY市場の下落を引き継ぎ大幅に下落し、一時、昨年9月以来の17,000円割れとなりました。終値は、前日比▲474.68円の17,240.95円でした。東証1部の騰落レシオは、12日に60%を下回り、売られ過ぎとされる70%を大きく下回っています。

■市場の混乱は、中国の景気減速と人民元安、原油安の進行、地政学リスクの高まりが要因です。これらが同時に発生し、株式市場の下落に拍車をかけています。

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【ポイント2】中国の景気は徐々に安定化

不動産投資が上向く兆し
■中国の景気減速懸念が再燃したきっかけは、年明けに発表された企業景況感の下振れです。これを受け、中国株式市場が急落、新たに導入されたサーキットブレーカー制度が発動(その後制度停止)されるなど混乱が続きました。また、通貨当局が人民元の対米ドル基準レートの低下を容認し実質的な切り下げを行っているとの見方も景気への懸念を助長しました。その後人民元は落ち着いた推移となっています。

■中国の景気は、既に不動産投資に上向きの兆しが見られるうえ、金融緩和などの政策余地もあり、徐々に安定化に向かう見通しです。

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【今後の展開】中国景気、原油、地政学リスクをにらみ、落ち着きどころを探る展開

■相場の⾏き過ぎを示す指標もあり、目先は落ち着きどころを探る展開になるとみられます。中国景気の安定化見通しに加え、原油先物のポジションは、これ以上売りを積み上げにくい水準にあることから、これらリスク要因は徐々に落ち着く方向と見られます。

■主要国で金融緩和が進められているため、危機的な状況は回避されると見込まれます。仮に、市場の混乱が金融システム不安を招くような可能性が高まれば、主要国での追加金融緩和などの余地もあるため、そうしたリスクを軽減していると考えられます。

(2016年1月14日) 

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