2015年の振り返り(為替市場)~米利上げ、中国懸念、原油安から米ドル以外は対円で下落~

2015年の振り返り(為替市場)

【ポイント1】米ドル円は前年末並み

量的緩和策拡大でユーロは下落
■米ドルの対円レートは、年前半は、堅調な景気を背景に利上げ開始が意識され概ね堅調に推移、6月に125円台まで上昇しました。

■年後半は、中国の景気減速や人民元の切り下げなどから世界同時株安、いわゆる「チャイナショック」が発生、リスク回避の動きもあり円安の動きが止まり、年末は前年末並みの120円近辺になりました。

■ユーロの対円レートは、欧州中央銀行の量的金融緩和策の導入(3月からの開始を1月に発表)を受けて下落し、その後は金融政策の方向性が日欧で同じだったため、方向感のない展開になりました。

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【ポイント2】原油・資源安も影響

資源輸出国の通貨が大幅下落
■豪ドルは、2月と5月の利下げ、資源価格の下落、「チャイナショック」などから年初から9月まで下落傾向となりました。足元では、雇用や消費の堅調さから追加利下げ観測が薄れ、底堅い推移となっています。

■新興国通貨は、「チャイナショック」、米国の利上げ観測(12月に実施)などから前年末比下落となりました。ブラジル、南アフリカ、ロシアなどの資源国通貨は、比較的大きく下落しました。一方、資源輸入国のインドは、対外収支の改善傾向や物価の安定から通貨の下落が比較的小幅となりました。

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【今後の展開】主要通貨は方向感に乏しく、新興国通貨は高金利が下支え

■2016年は、米国での緩やかな利上げが織り込まれていると見られることや日欧の金融政策の方向性が同じことなどから、主要通貨は方向感のない推移となりそうです。豪ドルや新興国通貨は中国景気や資源価格に左右される展開になると思われます。

■新興国通貨は、米国の利上げ、原油安、中国景気への懸念などから下押し圧力を受けやすく、中央銀行の利上げなどが下支えになると見られます。そうしたなか、インドは物価や政治の安定が見込まれ、 ルピーが比較的底堅く推移しそうです。

 (2015年12月29日) 

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