2016年のユーロ圏経済の見通し~金融・財政の下支えで、消費主導の回復が継続~
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【ポイント1】15年は緩やかに回復
物価は下振れ、金融緩和強化
■2015年のユーロ圏経済は、金融緩和によるユーロ安や原油安の恩恵を受け、緩やかに回復しています。輸出や生産の回復が雇用や消費などへ波及し、消費は底堅く推移しています。
■物価は、年初のマイナス圏を脱したものの、原油安の影響などから、目標とする2%近くを大きく下回っています。欧州中央銀行(ECB)は3月に開始した国債などの購入策を12月に拡充し、景気や物価を下支えしています。
【ポイント2】16年は消費主導の回復が継続
物価上昇率は目標を下回る
■2016年の景気は、GDP成長率が+1.6%程度の緩やかな回復が継続する見込みです。資源国や新興国経済の減速で、輸出や投資が力強さを欠くなか、金融緩和や財政拡大が下支えとなり、消費主導の緩やかな回復が続くと見られます。原油安は総じて家計の購買力にプラスに働く見込みです。
■景気回復が緩やかなことや原油価格が低位にとどまる見通しから、物価上昇率が大きく上振れることは難しそうです。
【今後の展開】金融緩和や財政拡大が景気や物価を下支え
■景気回復が緩やかで物価上昇率がECBの目標を下回る見込みから、追加金融緩和が予想されます。また、財政拡大も景気を支える材料となりそうです。
■ユーロの対米ドルレートについては、欧米の金融政策の方向性の違いからユーロ安圧力が継続する見込みで、政治的な不透明感が強まる場合などには、さらにユーロ安圧力が強まりそうです。
■株式市場は、強力な金融緩和や企業業績の拡大に沿い、底堅い展開が予想されます。
(2015年12月16日)
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