最近の指標から見るインド経済(2015年11月)~物価は低位安定、景気は回復基調~

最近の指標から見るインド経済(2015年11月)~物価は低位安定、景気は回復基調~

【ポイント1】景気は回復基調

利下げなどを背景に内需がけん引

■9月の鉱工業生産指数は前年同月比+3.6%と、前月(同+6.3%)から伸び率が低下しました。ただし、3カ月平均で見た場合、同+4.7%と前月(同+4.9%)並みで概ね堅調に推移しています。

■10月の乗用車販売台数は194,158台と、前年同月比+21.8%となりました。10月の輸出が同▲17.5%と外需は不振ですが、インド準備銀行(中央銀行、RBI)による利下げ(今年合計1.25%)や政府の投資拡大などを背景に、景気は内需主導で回復基調にあります。

20151119in1

【ポイント2】物価は目標を下回る見込み

中銀は9月に前倒しで利下げ
■10月の消費者物価指数は前年同月比+5.00%となり、RBIの物価目標(来年1月、同+6%)を下回る落ち着いた推移が続いています。

■RBIは、9月の会合で0.50%の利下げを実施し、政策金利を6.75%とした際、投資回復を促すために前倒しで利下げを実施したと説明しました。12月1日の次回会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢ですが、物価の安定基調から、追加利下げの余地があるとの見方もあります。

 20151119in2

【今後の展開】景気の加速に向け、物価の低位安定と追加利下げの可能性に注目

■政府は11月10日、建設業、金融業、放送業、製造業など15の分野に対して、海外からの投資の上限枠の撤廃や引き上げ、投資認可手続きの簡素化などを発表しました。モディ政権の経済構造改革(モディノミクス)は引き続き進展しています。

■景気は、これまでの利下げ、政府の投資拡大、モディノミクスの進展などから堅調な推移が見込まれます。外需が不振な状況下、景気回復ペース加速のためには追加利下げが期待される状況にあり、物価の低位安定が今後も続くかに注目が集まりそうです。

(2015年11月19日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 最近の指標から見るインド(2015年11月) 物価は低位安定、景気は回復基調

関連マーケットレポート

2015年11月10日 改革促すインド「州議会選挙」結果(インド)

2015年10月28日 モディノミクスで「直接投資」は順調(インド)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会