パリ同時テロ後の市場動向、影響は一時的か

パリ同時テロ後の市場動向、影響は一時的か

【ポイント1】リスクオフで株安・円高

急激な変動は回避
■13日の夜に発生したパリの同時テロ後、初の取引となる週明けのアジア・環太平洋市場では、リスクを回避する動きが強まり、概ね株安、円高の展開となりました。日経平均株価は、朝方は前日比340円を超す下げとなりましたが、その後徐々に値を戻し同203.22円安の19,393.69円でした。為替市場では、日本時間の16時時点で、米ドル円が122円台半ば、ユーロ円が131円台前半といずれも前日比円高方向の動きとなっています。ただし、いずれの市場でも急激な動きはいまのところ見られません。

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【ポイント2】単発なら影響は一時的

今後の動向注視する必要も
■市場では、2004年のマドリードや2005年のロンドンでのテロ事件との比較を試みるケースが多いようですが、それらの経験則からは、今回の事例も単発にとどまるのであれば、経済や市場への影響は限定的となる見込みです。

■ただし今回は、今年1月のパリの出版社を狙ったテロの後の再発が防止できなかったことを露呈したもので、規模も拡大したことから、治安を不安視する見方もあります。観光や企業活動に影響が出ることも懸念され、今後の動向を注視する必要があります。

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【今後の展開】ECBの追加緩和、難民政策、資源価格への影響が注目点

■経済への影響は限定的になる見込みとはいえ、渡航者が減るなどのマイナスの影響は避けられません。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和期待が高まるなか、この可能性が高まったとの見方もあります。

■また、欧州への難民の問題にも微妙な影響がありそうです。難民への寛容過ぎる政策が世論の反発を強め、政治の不安定材料となることも予想されます。原油価格はいまのところ落ち着いていますが、地政学リスクで原油価格が上昇する場合の物価や金融政策への影響も注視する必要があると考えられます。

(2015年11月16日) 

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