「街角景気」、悪化に歯止め(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは、3カ月ぶりに上昇

住宅、飲食など家計動向が改善
■10月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間10月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月から0.7ポイント上昇の48.2ポイントと、3カ月ぶりに前月比で上昇し、悪化に歯止めがかかりました。住宅、飲食などの家計動向と、企業動向が改善しました。ただし水準は、中立の50ポイントを3カ月連続で下回っています。

■街角の声には、「プレミアム付商品券が流通しており、客単価が非常に上がってきている。また、その効果により定価品やギフト商材が動いている(東北の一般小売店)」といった声が聞かれた一方、中国の景気減速の影響を指摘する声もありました。

【ポイント2】先行き判断DIは、横ばい

年末商戦への期待が下支え
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は、前月と同じ49.1ポイントでした。企業動向、雇用関連は低下が続きましたが、飲食や小売などの家計動向の上昇で打ち消しました。

■街角の声には、「大手企業を中心とした賞与の増加や、高額品需要やインバウンドも引き続き好調が期待できる(東海の百貨店)」という年末に向けた消費に期待する声が聞かれた一方、中国の景気減速の影響を、先行きも懸念する声が残りました。

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【今後の展開】賃金増加、株価反発で「街角景気」は緩やかに改善へ

■マンションの杭工事の問題波及に不安の声も
今回の調査では、家計関連の先行きの見通しが底堅いことや、年末商戦への期待が景況感を支えていることが確認された一方、中国の景気や円安による物価への影響を不安視する声が依然残りました。個別材料として、杭工事の問題のマンション販売への影響を指摘する声もありました。

株価の反発も今後の景況感を支える
賃金の増加が続いていることから、家計動向に支えられた景況感の改善が見込まれます。10月以降の株価上昇も景況感を支えそうです。中国の景気への不安感は、同国の景気対策などにより、徐々に和らぐと見られます。今回、悪化に歯止めがかかった「街角景気」は、今後緩やかに改善することが期待されます。

(2015年11月13日)

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