ミャンマーの民主化が加速へ(アジア)

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ミャンマーでは11月8日、2011年の民政移管後初の総選挙が行われました。アウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党の国民民主連盟(NLD)の優勢が伝えられ、議会の過半数の議席を獲得することが確実な情勢です。民主化の進展に弾みがつくことが期待されますが、スー・チー氏の大統領就任は憲法の規定上できないことから、同氏は、側近を大統領に据え「大統領を超える存在」として影響力を及ぼす意向です。

【ポイント1】スー・チー氏主導の政権樹立で民主化加速へ

選挙は大きな混乱なく実施
■現与党の連邦団結発展党(USDP)には、2011年の民政移管後平均で7%以上の経済成長を実現したことなど、一定の評価を与える見方もあります。ただし、以前の軍政の流れをくむ政党だけに、国軍の政治への関与を容認する姿勢に国民の反発は根強く、民主化の旗手として活躍してきたスー・チー氏の人気には太刀打ちできなかったようです。

■憲法は、外国籍の親族を持つ者の大統領就任を禁じているため、スー・チー氏は大統領になることはできません。同氏は、「大統領を超える存在として政権を率いる」と述べ、実質的に政権の中心に座る意向です。

■欧州などからの国際監視団によると、今回の総選挙は概ね大きな混乱や不正が無く実施されたようで、国際社会は選挙結果を容認しそうです。

【ポイント2】経済政策は未知数

改革路線を引き継ぐ方向か
■スー・チー氏の経済政策に関しては、具体策が明示されていません。現政権によって進められてきた外資受け入れ、規制緩和などの路線を引き継ぎ、一層の市場開放が進むことが期待されます。

■国際通貨基金(IMF)によると、2016年から2020年の経済成長率は平均で年8%以上が見込まれており、周辺のアジア諸国を上回る成長性です。新政権でも経済発展が進むか注目されます。

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【今後の展開】 スムーズな政権樹立、民主化進展で投資の活性化も

■憲法改正では国軍との対立回避なるか
NLDは、国軍の政治関与を定めた憲法の改正を公約に掲げています。憲法改正は民主化進展を意味しますが、国軍との対立激化を回避して進められるか、外国企業の投資拡大を占ううえでも注目が集まります。

通貨下落とインフレ加速を回避する政策を
 高い経済成長の一方、インフレと経常収支の悪化も見込まれ、通貨チャットは下落しやすい状況です。当面の経済運営の課題として、通貨下落とインフレの悪循環を回避する政策の発動が期待されます。

(2015年11月12日)

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