最近の指標から見る中国経済(2015年11月)~製造業の下振れ続くが、非製造業が下支え~

最近の指標から見る中国経済(2015年11月)~製造業の下振れ続くが、非製造業が下支え

【ポイント1】製造業の下振れが続く

小売などの非製造業が下支え
■10月の製造業PMI(購買担当者景況感指数)は3カ月連続して好悪の判断の境目である50を下回り、生産は前月から伸びが鈍化しました。輸出の減少や資源価格の下落などから鉄鋼やセメント業などで生産の下振れが続いています。

■一方、非製造業PMIは前月から低下したものの50超を維持し、また、小売売上高は持ち直しつつあります。インターネットを通じた小売売上高は前年比約3割増加し、政策効果が表れているようです。金融緩和の効果による住宅市場の底入れへの動きもあり、非製造業が景気を下支えしています。

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【ポイント2】輸出は4カ月連続の減少

物価も上昇圧力弱まる
■輸出は4カ月連続して減少しました。中国の内需減速から世界経済が減速し、それがまた中国の輸出減少に影響するという、負の循環が懸念されます。

■生産者物価は前年比マイナスが続いていることに加え、消費者物価の伸び率は鈍化しました。燃料価格の下落に加えて、食品価格の伸び率が縮小したことが要因です。物価上昇圧力が弱まったことで追加緩和余地が拡大すると見られます。

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【今後の展開】今後5年間の年6.5%成長のため、輸出や生産の強化策を期待

■習主席は今後5年間は最低でも年6.5%以上の成長が必要と明言しました。12月の中央経済工作会議では、こうしたことを踏まえて、来年の成長率目標と政府方針が示されると見られ、その対策とともに注目されます。

■輸出拡大のため、新シルクロード「一帯一路」推進に一層の重点が置かれそうです。また、非製造業の下支えに加え、製造業強化のためのイノベーション促進策や、公共投資の強化なども期待され、景気の底割れは回避されると見られます。

(2015年11月11日) 

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