日銀の「展望レポート」(日本)

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日銀は経済と物価について、先行きの見通しや上振れと下振れ双方のリスク要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を定期的に公表しています。「展望レポート」は、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比の伸びが、「物価安定の目標」である2%に達する時期についても言及しており、日銀の金融政策を見通す上で極めて重要な資料です。

【ポイント1】年2回、4月と10月の会合で公表

中間評価は1月と7月会合で公表
■4月と10月の金融政策決定会合で公表される「展望レポート」は、1.経済・物価の中心的な見通し、2.上振れ要因・下振れ要因、3.金融政策運営、4.参考(政策委員の大勢見通しなど)からなる「基本的見解」として示されます。翌営業日にはより詳細な「背景説明を含む全文」が公表されます。1月と7月の金融政策決定会合では、その直前に公表された「展望レポート」以降の情勢を踏まえ、見通しの「中間評価」が発表されます。

【ポイント2】物価見通しに注目

目標達成時期も重要
■市場の関心が高いのは、基本的見解や中間評価で示される政策委員の大勢見通しであり、特に消費者物価(除く生鮮食品)の前年比伸び率の見通しに注目が集まります。

■また日銀は2%の「物価安定の目標」達成を目指しており、基本的見解では、その達成時期に関する見通しも明記されています。そのため物価見通しの下方修正や達成時期の先送りは、市場の追加緩和期待を形成しやすい材料となります。

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【今後の展開】「展望レポート」の重要性は来年一段と高まる

2016年より「展望レポート」の公表は従来の年2回から年4回に増え、1月、4月、7月、10月の金融政策決定会合終了後、直ちに公表されることになりました。また同時に全政策委員の経済・物価見通しとリスク評価も公表されます。金融政策を予想する上での「展望レポート」の重要性は一段と高まる見通しです。

(2015年11月11日)

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