「中国版新幹線」売り込みと一帯一路(中国)

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インドネシアは、計画中の高速鉄道に「中国版新幹線」の採用を決めました。また、米国のラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道の建設で、中国の企業連合が米企業と合弁会社の設立で合意しました。これに先立つ6月には、ロシア初となる高速鉄道の建設プロジェクトを中国企業が受注しました。今月19日から英国を訪問している習主席は、同国の高速鉄道受注に強い意欲を示しています。

【ポイント1】ロシア、米国、インドネシアからの受注に成功

昆明からバンコクへの高速鉄道も受注
■ロシア、米国、インドネシアからの受注に続き、英国やインドへもトップセールスにより、「中国版新幹線」の受注活動に力を入れていると報道されています。インドネシアからの受注では、プロジェクトへの融資に政府保証を不要としたことや低価格などの有利な条件が決め手になりました。

■時速160km程度の高速鉄道の分野でも、中国の昆明からラオスを経由してタイのバンコクへ通じる建設プロジェクトを受注しました。また、ロシアの高速鉄道は、カザフスタンを通り、中国のウルムチで既存の新幹線網と接続することも計画されています。

【ポイント2】内需不足を輸出で補う

周辺国との物流ルート構築も狙い
■中国が高速鉄道の受注に力を入れる理由は、大きく2つあると見られます。第一に、国内の高速鉄道整備はある程度進み、今後は新設ペースの頭打ちが予想され、輸出拡大に注力し始めたことです。

■第二に、周辺国との物流ルートの構築です。道路の建設を含め、アジアを経由しヨーロッパにつながる物流の大動脈を構築し、資本財輸出、資源輸入などの貿易拡大を図るという、一帯一路戦略推進の狙いがあると見られます。

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【今後の展開】一帯一路戦略に沿って、インフラ受注活動を積極化へ

■習主席は一帯一路戦略を積極的に推進
中国は、トップセールスと魅力的な融資条件により、インフラ受注に拍車をかけています。習主席は自ら提唱した一帯一路戦略に沿い、外交や経済協力に力を入れ、高速鉄道以外にも発電や灌漑のためのダム建設などのインフラ案件の受注に力を入れています。

■完成後の運営に関与
海外のインフラプロジェクトの受注は、完成後の運営にも関与して融資の回収を後押しする点で、投資とも言えます。また、資源国については、資源の安定供給源としても期待されます。中国はインフラ受注の拡大に一層力を入れると予想されます。

(2015年10月21日)

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