「欧州首脳会議」で結束強化へ(欧州)

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「欧州首脳会議」は、欧州連合(EU)加盟国の首脳らが集まり、欧州の政治的方向性や優先事項などを議論する場で、正式には「欧州理事会(European Council)」と言います。15日から2日間の日程で行われる会議では、難民問題が主な議題となるほか、英国のEU離脱を問う国民投票実施についても議題に上る予定です。会議では、各国間の利害対立を調整し、EUの結束が強まることが期待されます。

【ポイント1】難民問題はEU域外との国境管理強化へ軸足

難民受け入れ分担案を巡り、各国の利害対立
■9月のEUの主要な会議では、16万人もの難民をEU各国で分担して定住者として受け入れる一方で、難民以外の不法入国者を取り締まるため、EU域外との国境管理を強化することを決めました。 
■国境管理強化は、各国分担での受け入れの決定に強く反対したハンガリーなどの意向を汲み、難民流入の抑制を目的としています。難民受け入れを巡り乱れた結束を強める狙いとも見られます。

【ポイント2】難民認定ルールの見直し検討

多数の難民はドイツを希望
■今回の「欧州首脳会議」では、国境管理強化の具体策に加え、ダブリン条約の見直しが議論される予定です。同条約は、難民が最初に滞在した国での庇護申請を義務付けています。
■同条約があるため、ドイツを希望する難民は、最初にハンガリーなどへ入国し、その後ドイツに移動して難民申請しようとします。そのため、ハンガリー国境で多数の難民が不法にフェンスを越えました。しかし、同条約の適用を外すと、今度はドイツへの難民殺到が予想されます。こうした状況から、各国の利害が対立しています。

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【今後の展開】「欧州首脳会議」での各国の利害対立の調整を期待

■EU各国間の利害が対立する場面が増加
難民問題以外でも、EUの結束力が問われる場面が増えています。ギリシャは債務危機からユーロ圏離脱が危ぶまれました。また、英国では2017年末までにEU離脱を問う国民投票を実施することが公約となっています。

■EUの結束が強まることを期待
利害対立の背景は、各国経済が低成長なうえ、財政に余裕が無く、EU内でも経済格差がなかなか縮小しないことです。「欧州首脳会議」で、各国の利害対立を調整し、EUの結束が強まることが期待されます。

(2015年10月15日)

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