改革進展の鍵を握る「州議会選挙」(インド)
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モディ政権が進める経済構造改革(モディノミクス)は、目玉とされた物品・サービス税(GST)法案と土地収用法案の審議が止まり、進展が足踏みしています。与党インド人民党(BJP)は上院で少数政党にとどまり、スムーズな議会運営が困難なためです。上院議員のほとんどが地方議会での間接選挙で選出されるため、BJPは「州議会選挙」で勝利を重ねて議席数を増やすことを狙っています。 |
【ポイント1】上院における与党連合の勢力は、定数245議席のうち、64議席
まずは最大勢力の69超えを目指す
■上院の総議席数245のうち、BJPは48議席、与党連合(国民民主同盟、NDA)としても64議席しか有していません。また、国民会議派(INC)を中心とする連合も69議席にとどまり、30近くの多くの勢力間で議席を分け合う構図になっています。
■上院議員は、大統領が指名する12名を除き、各州・連邦領の議会議員による間接選挙で選ばれます。任期は6年で解散はなく、2年ごとに3分の1ずつ入れ替わります。これを念頭に、BJPは各州ごとに順次実施される「州議会選挙」で過半数獲得を重ね、上院の議席数を増やすことを狙っています。
【ポイント2】11月開票の州議会選挙に注目
モディノミクス浸透の見極め材料に
■ビハール州の議会選挙は10月12日から5回に分けて実施され、11月8日に開票される予定です。夏季国会で改革推進を巡り与野党が激しく対立して以降初めての重要選挙であり、注目を集めています。
■ビハール州は、一人当たりGDPが全国で最も低い層に属しており、こうした地域では企業誘致などの効果が伝わりにくいとの指摘があります。現在BJPは同州で野党の立場にあり、モディノミクスの全国的な浸透を見る上でも、重要な選挙になります。
【今後の展開】地方へのモディノミクス浸透が課題
■上院の勢力拡大には時間が必要
ビハール州の「州議会選挙」でBJPと協力政党の連合が過半数を獲得した場合でも、同州からの上院議員(全16名)が改選されるのは来年以降になります。上院の勢力拡大には、時間がかかる見込みです。
■「州議会選挙」でモディノミクスへの評価確認
政府は、地方での支持拡大を狙い、インフラ整備の対象地域を戦略的に選んでいます。地方でのモディノミクスへの評価という点からも、「州議会選挙」は引き続き注目されそうです。
(2015年10月13日)
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