インドの「財政」執行状況は順調(インド)

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インド政府は、2014年度(2014年4月~2015年3月)にGDP比4.0%だった財政赤字を3年かけて3.0%に減らす方針です。2015年度の目標は3.9%としています。月毎の財政執行状況は、財政健全化の進み具合を見極めるのに重視されています。また、モディ政権が進める徴税強化や公共投資の拡大などの構造改革の進展を測る指標としても重要です。

【ポイント1】4月から8月までの財政赤字は抑制的に推移

今年度の財政収支計画達成が可能な見通し
■2015年度(4月から8月、以下同様)の財政赤字は前年同期から7.2%減少しています。これは年度計画の66.5%にとどまり、前年度の同じ期間の同74.9%と比較して、財政赤字は抑制されたペースとなっています。
■これまでのところ、今年度の財政執行状況は適切に管理されているといえ、財政赤字をGDP比3.9%とする目標は達成可能と思われます。

【ポイント2】歳入増が歳出増を上回る

歳出は公共投資を重視
■財政赤字の抑制は、歳入の伸びが歳出の伸びを上回っていることで実現されています。8月までで、歳入が前年同期比+32.1%と大幅に増加している一方、歳出が同+8.8%にとどまっています。良好な歳入ペースからは、内需の堅調さがうかがわれます。
■歳出のうち公共投資は前年同期比+18.6%と2桁のペースで拡大しています。政府は経費支出を抑えながら、景気に配慮した財政政策を進めているといえそうです。

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【今後の展開】公共投資と金融緩和が足並みを揃え、景気を下支え

財政状況はRBIの政策の支障にならず
インド準備銀行(中央銀行、RBI)は、金融政策を行う上で、財政政策が過度に拡張的な場合、金融緩和に消極的となる傾向があります。足元の順調な財政執行状況からは、RBIがそうした配慮をする必要はほとんどないと見られます。

米国の利上げ先送りで追加利下げ期待も
RBIは、9月29日に政策金利を0.50%引き下げ6.75%とし、年初からの利下げ幅は累計1.25%になりました。米国の年内利上げ観測が後退していることもあり、物価安定と財政健全化が進めば、追加利下げ期待が高まる可能性があります。

(2015年10月8日)

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