ユーロ圏の「物価」は下落に逆戻り(欧州)
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9月のユーロ圏の消費者物価指数は、前年同月比で▲0.1%と6カ月ぶりにマイナスとなりました。原油安により、エネルギー価格が下落したことが主因です。足元では世界経済減速も意識され、消費者の今後の物価上昇への確信度が低下しており、その引き上げのため、追加金融緩和への期待が高まっています。 |
【ポイント1】 「物価」下落に逆戻り
エネルギー価格の下落が要因
■今年1月を底に上向いていた物価上昇率は、原油安の影響でマイナスに逆戻りしました。
■原油価格(ブレント原油)は生産調整などを背景に1バレル70米ドルへと戻りつつありましたが、OPECの増産観測や中国などの新興国経済の減速による需給の悪化観測から、足元では同50米ドルを下回り、物価の下落要因となっています。
【ポイント2】金融政策が物価上昇に転じたきっかけ
弱まる物価上昇への確信度
■昨年来の物価上昇率の低下を受け、欧州中央銀行(ECB)は、国債などの購入による量的金融緩和導入を決めました。量的金融緩和は資産価格上昇への期待を高めることなどから、物価上昇効果があると言われています。
■欧州統計局が調査する、消費者の今後の物価上昇への確信度は、1月のECBの量的金融緩和決定後に上昇しましたが、足元では低下傾向にあります。
【今後の展開】追加金融緩和により、物価上昇期待を高め、デフレ回避へ
■2%弱の物価目標達成は容易ではない
エネルギーを除いた消費者物価は総じて安定しているものの、景気は物価上昇圧力が高まる状況ではなく、ECBが目標とする2%弱の物価目標の今後1~2年内の達成は容易ではないと見られます。
■追加金融緩和でデフレ回避へ
原油以外の資源価格も、中国などの新興国経済の減速観測から下落傾向にあり、このまま政策の追加が無いとデフレ懸念が再燃しかねません。追加金融緩和により、物価上昇期待を高めてデフレへの逆戻りを回避することが期待されます。
(2015年10月5日)
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