日銀短観、設備投資計画が上方修正
日銀短観、設備投資計画が上方修正
【ポイント1】大企業の先行きDIが悪化
大企業・非製造業は足元堅調
■1日に発表された9月調査の「日銀短観」では、大企業・製造業の「業況判断DI」(最近)は+12(前期比▲3ポイント)と3期ぶりに悪化しました。また「先行きDI」(先行き)は+10とこちらも悪化しました。一方、大企業・非製造業は、最近が+25(同+2)と4期連続の改善となりました。先行きは+19と悪化しました。大企業製造業・非製造業ともに先行きDIが悪化していますが、中国の景気減速など外部環境の不透明感が強まっていることが背景と言えそうです。
【ポイント2】利益計画は上方修正だが下期慎重に
設備投資計画は上方修正
■今年度の経常利益計画は上方修正されました。6月調査でマイナスの見通しだった上期がプラスに転換したことが要因です。下期は慎重な見通しとなりました。
■一方、大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+10.9%と、6月調査の同+9.3%から上方修正され、2桁の伸びとなりました。製造業の年度見通しがマイナスに転換しなかったこと、非製造業の下期計画が大幅に上方修正されプラスに転換したこと、が背景です。企業の設備投資に対する意欲は維持されていると思われます。
【今後の展開】追加の金融緩和などに期待
■9月調査で、企業の業況判断が年末にかけて悪化することが確認されました。しかし、業況判断が悪化する中でも、下期の経常利益の下方修正が小幅であること、設備投資が堅調であることが注目されます。
■今後は、中国経済の動向など外部環境に注意する一方、7-9月期のGDPが2期連続でマイナスとなるかなどが焦点となりそうです。堅調な設備投資に対する意欲を維持するためにも、追加の金融緩和や補正予算による景気対策の実施が期待されます。
(2015年10月1日)
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